実母と同居して、たった半年で同居を解消しました。
今、実母(以下、母と書きます)は徒歩10分ほどの所に住んでおり、関係はとても良好です。
同居解消からもう2年ほど経ったけれど、今でも振り返ると申し訳ない気持ちでいっぱいになります。
私たちは、ずっと仲の良い親子だった。親孝行もしたいと思っている。
上から目線な言い方だけど、母はとても「わきまえて」くれている人だった。
だから、同居解消したいなんて自分が感じるとは、思ってもみなかったのです。
同居の経緯
私と母が同居を始めたのは、コロナが出現した頃。
私の父である主人を亡くし、慣れ親しんだ家を離れ一人暮らしを始めた母は、慎ましくも楽しく暮らしていた。
コロナの出現と同じ頃、職場が変わった母は自律神経を乱してしまい、とてもやつれて見えた。
「おしごとがんばってね」と孫(私の子ども)が言ってくるのさえしんどい・・・ともらし、その姿を見た私は、母の心身が壊れてしまうと本気で思った。
そう思うと、居ても立っても居られず、主人にも相談した上で同居を提案した。
母には一度断られている。
その後承諾してくれたあとも、引っ越し直前に「やっぱりもう少し自分で頑張りたい」とも言われた。
でも、頑張れる様には見えず、先の見えない金銭的な支援が自分に出来る余裕もなく、説得して納得してもらった。
今思い返せば、主人や私の妹に相談して、もう少し待ってあげれば良かったと思える。
でも、当時の私は父を亡くして、母まで失うことが怖かった。
母が頭をぶつけて病院に行って帰ってきた時は、「良かった」とワンワン泣いたほどに。
それに、あのやつれた母の姿が目に焼き付いて離れず、これしか方法がないと思ってしまっていた。
同居は、私の強引さで開始されたと思う。
同居がしんどい・・・
なんとなく“同居、しんどいな”と思い始めたのが、2ヵ月経った頃だった。
大きな理由はなかった。
些細な、思い出すもの難しいようなことばかりだった。
一度、“なんかしんどいな”と思い始めると、坂道を転がり落ちる様にどんどんマイナスの気持ちに引っ張られてしまった。
母の言動の多くに、イライラしてしまう。
話しかけられても、優しく返事が出来ない。
どうして優しくできないの?どうしてあんな返事しかできないの?と、寝る前に自分の言動を振り返っては毎日泣いた。
時には主人と子どもと私、3人だけの生活が良かった。出て行ってくれないかな・・・とさえ思ってしまうようになっていた。
こんな汚い心の内、誰にも吐けない。
友達は親孝行が大切と思っている子が多い。こんな想いを抱いているなんて、とても分かってもらえないだろう。
私以上に肩身の狭い思いをしているであろう主人にも言えない。
毎日自分を責めた。こんな風に思ってしまう自分の心を変えなくては、と気持ちを切り替えるよう努めた。
でも難しかった。できなかった。
母が仕事を辞め、一緒に家にいることが増えるにつれて心がどんどん疲弊していった。
母を嫌いになりたくない
そして、ある日の会話がきっかけで、私の心は静かに限界を迎えた。
もう一緒に住むのは無理だ・・・と思った。
でも、それ以上に、母のことを嫌いになりかけていることに耐えられなかった。
私たちは仲の良い親子だったし、母のことは尊敬していた。
だから、嫌いになりたくなかった。
これ以上母に対して負の感情を抱きたくなかった。
今までのような、仲の良い親子でいたい。
だからこそ、距離が必要だと思った。
まさか同居を解消したいと言われるなんで、思ってもみなかったと思う。
妹に聞いた話によると、追い出されたと感じたらしい。
そうじゃない。だけどそう思われても仕方なかったし、言い訳できる立場ではない。
離れて暮らす妹に、母の心のサポートをお願いした。
こんな姉でごめん、と本当に情けない気持ちだった。
同居の解消ととある励まし
同居解消の話から2ヵ月とせず、再就職先を見つけ、母は引っ越した。
同居は解消された。
母が出て行った日、母の部屋だった空っぽの一室を見て、申し訳なさが込み上げてワンワン泣いた。
親孝行とは正反対のことをしているな、と。
十字架を背負った気持ちだな、と。
でも、数日経った頃には心がほっとしている自分がいた。
ほっとしているなんて・・・と、また自分に負い目を感じつつ、いつまでも申し訳なさを引きずっていても仕方ない。また親孝行出来る自分になっていこう、と今日まで過ごしてきた。
今、母と私の関係は良好だと思う。
そして、母は「これ(同居解消)で良かった」と思ってくれている。
それには、母と私の両方のことを知る方からの励ましがあったからだ。
その方も、同居解消の経験があり、ご自身以外にも同じ経験をしている人を何人も知っていた。
だから、同居解消し、一人暮らしを始めた母にあっけらかんと「よくあることよ~」と話してくれたらしい。
そのあまりにもさっぱりした口調に
「こんなに重く、大ごとに捉えているのは私達だけだわ」
「な~んだ、よくあることなのか」
と思えたそうだ。そこから今に至るまで、とても前向きに、母らしい丁寧な暮らしを楽しんでくれている。
心の内を吐き出して
同居解消したい、と思い出してからは未だかつてないほどに自分を責めました。
とても、とてもしんどい期間でした。
このブログを読んで下さった方も、今、同じお気持ちでしょうか。
どうか、ご自分をあまり責めないでください。
自分を責めて、苦しめたところに、よき答えは出てこない様に思います。
私は、呆れられると思いながら、申し訳ないと思いながら、全ての感情を主人に話しました。
私に寄り添ってくれると共に、具体的な提案をしてくれた主人には、感謝してもしきれません。
誰かに、話してみて下さい。このブログでも結構です。しんどい胸の内を吐き出すことができれば、一歩進むことができます。
一歩進むことができれば、どうしていきたいのか、どうすれば良いのか、少しずつ手繰り寄せることができます。
心の春が、きっと訪れますように。